2007年02月28日

【'05台湾×2】04/コーヒーおじさんは何処へ?

 台湾は、町の至る所に茶店があります。お茶を出す店は紅茶やコーヒーも出しますが、フレッシュ・ジュースを作る店は果物専門。今はスタバも増えてますが、茶店で頼むとミルク砂糖入りの粉コーヒー(しかも温い!)が当たり前なんですよ。ですから、本格的な(そして熱い)コーヒーを飲ませる店は珍しかったんです。
 そんな訳で、駅前の角にイタリアン・コーヒー屋を見つけた僕は美味いコーヒーで一息ついていました。台湾では、歩道にベンチを置くのも当たり前なんです(というか、その程度なら序の口なんですが)。
 するとカウンターの中から店主が出てきて、僕に英語で話しかけてきました。まぁ世間話程度ですが、その中で彼は「サンフランシスコに妻子を置いて、故郷で店を開いたんだ」と言っていました。

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 これからは台湾でも本格的なコーヒーが売れるようになる、という読みは悪くなかったと思うんですよね。半年後の12月に行ったら、洒落たカフェが目に付くようになったし実際に繁盛してましたから。
 でも、その時には店主の顔も店の名前も変わっていました。乗っ取られたのか手放したのか、僕には知りようもありません。
 それだけではなく金都飯店もガレキの山と化していて、楽しみにしていた瀧乃湯も閉まってたんです。
 初日の夜10時に、軽い失意のズンドコです。
 なんだか追い返されるような気持ちで、僕は新北投を後にしました。しかし半年で一体、この温泉町に何があったんだろう・・・・・・?

 あの2月の肌寒い朝、注文の電話で大忙しだった店主と「また会おう」と握手を交わして別れた。
 ちょうど旧正月が明けたばかりだったから、高雄行きの切符が取れるか心配だと言った僕に「旧正月は終わったから、もう座っていける」と請合ってくれたっけなぁ。帰化したアメリカで、家族と暮らしているのだろうか。それとも商売が軌道に乗って、家族を呼び寄せ手広くやってるのだろうか?
 さらばコーヒー屋のオヤジ、そして金都飯店の子犬たち。
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 それから僕は新北投の駅に向かい、「朝粥」の看板に目を留めて屋台店に。わざわざ掲げるのも珍しいけど、ここは本当に粥しか出さない店だったんですね。おかげで筆談の手間も省けるというもの、ジェスチャーでトッピングも頼んで熱々の粥で腹ごしらえ。35元。
 するとそこに2人目の客、絵に描いたようなバックパッカー姿・・・・・・。
「なんだ、日本語通じねぇのかよ!」
 おや日本人か、っていうかアンタ。そんな旅慣れた格好で何言ってんだかなぁ〜? ちょっと可笑しく思いながら、向かい合わせで黙々と食べてるアンタさんに話しかけてみる。これから帰国するらしく、ちょうど台北まで行くのだったらとMRT降りるまで同道。
 大学時代から一人旅を始めて、今は公務員33歳。けっこう色々な国に行っているようだけど、これが最後の旅なのだそうだ。まぁ色々あるんだろうね、それじゃあと手を振って僕は南下。
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 さて、その頃。
 旅の2日目を台北で迎えた12月の僕は、同じく南下しようと台北駅に向かって市街を歩いておりました。
 夜の10時に新北投を後にして、それから市街で無事に宿を確保したんですね。
posted by tomsec at 12:05| Comment(2) | TrackBack(0) | '05台湾×2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月19日

【'05台湾×2】03/新北投の銭湯はアツイ!

 陽も暮れたし、でも夕飯には早いから銭湯に行ってみますか。
 ガイド・ブックによると「50年以上の歴史を誇る共同風呂」で、かつては日本陸軍の療養所だったという瀧乃湯。温泉浴の習慣も日本由来なのですが、台湾では公衆浴場では着衣入浴なのだそうです。だけど思いっきり裸でしたけどね、瀧乃湯のオッサン連中。もちろん僕だって丸裸ですよ、そりゃあ風呂は裸が気持ちよいでしょう。
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 金都飯店から、更に少し坂を上れば瀧乃湯です。「男湯」「女湯」の暖簾、でも番台は手前にあるから見世物小屋っぽくもあります。70元。
 引き戸を開けると、いきなり風呂場です。岩場をくり貫いた広い湯舟を、ムシロで囲ったような小屋の造り。湯煙に、中国語でわいわい言い合っているオッサン達の声が反響しています。壁の棚とベンチが脱衣場代わりで、遠慮がちに洗面道具を持って洗い場へ。
 石鹸どころか手桶も鏡もないのですが、シャワーが水しか出ないのでちゃちゃっと洗って湯舟に。これがやたら熱い。上がり湯なんてもんじゃない。ホースでどばどば水を足してましたが、ちっとも温くはならない。でもオッサン達は平然と浸かってるんですね、全身真っ赤にしながら。
 台湾のオッサンは皆イカツイ顔で、温泉に浸かっる時も気持ち良さそうに笑ったりとかしません。怒鳴りあってるような会話の中でニヤリとして、実はとっても人が善いのは分かっているんですけどね。前も隠さず体操したり、咥え煙草で立てひざついたり・・・・・・。つい湯舟の隅っこで下向いてました。
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 オッサン連中の長湯には敵いません、外に出て涼んでるとオッサンの一人が出てきました。写真を撮ってくれるよう頼むと、サービス精神旺盛な方で場所とポーズまで指示され4枚も激写してくれました。連れの奥様を待たせてしまい、しかも品のある会釈を返され恐縮の至りです。
 台湾のオッサンの、そういう外目とのギャップは好きです。みんな中身は物腰低く親切なんですよ、でも一見コワモテなんですね。台湾に行くと本当に、人は外面で判断してはいけないと思います。

 夜市の開かれる通りを捜しつつ、坂道の寝静まったような住宅地を散策。
 簡単に説明しますと、夜市は大きな縁日みたいなものです。毎晩ですから特に御利益関係ではなく、単に夜になると露店が軒を連ねるだけなんですが。これ抜きに台湾は語れない、というと大袈裟でしょうか。昼間の閑散とした横丁が、夜には熱気ムンムンで独特の雰囲気。
 ほとんどが食べ物の屋台ですから、夕飯を食べるには最適です。人によっては味や清潔感などで好き嫌いはあるでしょうけど、僕は全然平気。町によって夜市の雰囲気って違うんですよね、それが面白い。
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 新北投の夜市は、果物市場みたいでした。他の町では食べ歩けるよう切り売りする程度ですが、ここでは普通に果実屋さんです。きっと夏場の、果物が美味しい季節に行くとまた格別でしょう。
 まずブタ角煮丼と千切り生姜とタレで食べる牛排、各50元。
 別の屋台で牡蠣の卵とじとエビ肉団子スープ、マンゴーミルク・スムージー各40元。
 しめて220元て事は、800円位かなぁ?
 さすがに食い過ぎましたが、初日から体調崩すようじゃ精もつけとかないと。
お金払うと「シェ。」と言ってたのは、やはり「謝謝」の省略形かなぁ。
posted by tomsec at 09:57| Comment(4) | TrackBack(0) | '05台湾×2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月11日

【'05台湾×2】02/はじめての台北、そして新北投

 最初の台湾は、羽田〜高雄の往復便だったんです。
 あれは実に都合よい格安チケットだったんですよ、近場の飛行場から行きたい場所への直通便で・・・・・・。まぁ今さら言っても仕方ありません、今回は行きも帰りも台北発着なのです。
 2月の時は昼に着いて、小雨交じりの22℃。12月は夜8時で、16℃なのに変に蒸し暑い。日本でいうなら梅雨寒で、上着を脱げば肌寒いし着てれば汗が出る。しかも空港からのリムジンバス(125元)は冷房ひえひえ、小1時間も乗ってたら頭痛もしてきました。初っ端から盛り下がります。速攻で南下してやる〜!
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 バスの終点は台北車站、そのまま特急に乗っても4時間半は列車に揺られてなきゃならないんですよ。そう考えるだけでもシンドイ有様、とにかく駅舎の2階フードコーナーで昼飯にしましょう。しかし1階に比べて結構レイドバックしてますな、那覇空港を思い出します。
 ランチは100元、見た目は日本でも見かける定食です。目玉焼きにミックスベジタブル、キャベツ炒めライスのプレートに吸い物ワカメ、牛肉の煮込みらしき椀。300円にしては盛り沢山ですね、そして独特の味付けに(あー、来たなぁ)と実感しました。パクチーだかシャンツァイだかっていう香草の、好きでもないんだけど忘れられない匂い・・・・・・。
 いやぁー、しみじみ。
 薄日が差して気温が上がってきましたが、どうも台北の空気には馴染めない気がします。日向ぼっこしつつガイドブック見てたら、地下鉄で40分の温泉町が載ってました。こりゃあいい、新北投に1泊で決定。
 ちなみに12月の時は車站に着いたら夜の9時でしたからね、温泉あるのに頑張って南下しなくっても・・・・・・。という訳で、最初から新北投に直行でした。
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 MRT淡水線で35元。12駅先の北投から、隣のホームで更に1駅。町は全然、ひなびてませんね。車もバイクも走り回る、活気あふれる沿線都市って雰囲気で。だけど硫黄の匂いと、山すその空気が温泉町って感じです。自分の足で宿捜しなんて気分じゃないので、小川に沿った坂を上がって金都飯店へ。
 ガイドブックに書いてあったとおりの、いわゆる賓館です。1泊1200元は僕の感覚じゃあ高いんですけど、なんせ温泉街ですし。部屋は温泉も出るそうなので、さっそく狭い湯舟に熱い湯を張って浸かります。とりあえず人心地つけました〜。

 ちなみに賓館ってのはラブホなんですが、台湾では普通に一人客でも泊まれるんだそうです。僕は抵抗ないですし、この宿はチビッコと飼い犬が遊んでたりしてアットホームな感じ。部屋は狭いし薄っ暗いけど、とりあえず不便さはありません。
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 周辺を歩いてみると、日本の温泉町と同じ風情が感じられました。まぁ温泉文化は日本統治時代の開発によって根付いたそうですから、もっともな気もします。瓦塀に梅の花、遠くに「熱海」の左文字。川沿いの公園には、明治期の洋館を思わせる記念館が。
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 ずっと坂を下って、駅前に戻ってきました。ちょうど下校時間なのか、ジャージ姿の子供が大勢歩いてます。そして夕陽を背にした駅舎に・・・・・・見とれてしまいました。
 高架線路を断ち切ったような大鳥居、長く延びたホームの伽藍屋根が何ともいえません。温泉街との落差でなのか、妙にインパクトあります。
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 商店街は延々どこまでも続く感じで、思ってたより町の規模は大きいようです。
posted by tomsec at 21:34| Comment(2) | TrackBack(0) | '05台湾×2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする