
台湾にも駅弁文化がありまして、これもまた日本統治時代の名残のようです。せっかくですからコンビニ弁当ではなく、台北車站の鉄道ミュージアムみたいなコーナーで駅弁を購入。車窓を眺めつつ、半日がかりで高雄に向かいます。
徐々に田園風景が増えて、家並みも趣きが変わっていきます。その景色の移ろいに(北部は外省人、南部は本省人)といった文化の差を感じて、見飽きるという事がありません。


そして時折、ぽつんとお墓が立っています。やや小ぶりですが沖縄のお墓に似ていて、緑一色の中でカラフルな中華装飾が目を引きます。
そして稀に、ブルーグレイの地味な色遣いのお墓に気付いたりします。よく見ると白い縁取りの赤丸が描かれていて、まるで戦闘機のようです。きっと大戦中に、ここで撃墜された日本空軍兵士が眠っているのでしょう。そして地元の方々に今も(世代を越えて奉られてるのか)と思うと、深く心を打たれます。


ちょっと分かりにくいのですが快車は奥に車内販売の添乗員がいて、おそらくは補強を兼ねている円状の間仕切りが写っています。普通車はベンチシートの車両もありますが、それはそれで少し懐かしい感じがして好きです。
急行に乗ると、湯沸し場が付いた車両もあります。これを実際に使っている人は見た事ないのですが、湯沸かし器の温度計を見た限りでは熱湯が出るようです。車内が満席だと、大荷物のオバチャンや部活帰りの女子高生がカウンター内を占領してますが・・・・・・。
万が一、車両事故が起きたらと思うと二次災害が心配です。
夜行列車で高雄〜台北間を移動した時、トイレに入ったら横向きでした。日本では普通、進行方向と同じ向きだと思うので・・・・・・。まぁ本当に些細な事なんですが、それだけに何か意味ありげに見えてしまったりもするのですね。そんなに横揺れが激しいとも感じなかったので、縦向きにしない理由が他にあるのでしょう。

夜行列車は寝台ではなく、普通の莒光号なんですね。高雄からの最終便は23:20発で、翌朝5:52台北着。ほとんど満席だったのは、クリスマスイブの前日だったせいなのでしょうか。僕の隣に座ったオバチャンは、ホームで見送る孫に手を振っていました。で、走り出すと速攻で席を倒して寝てましたが。
僕は全然眠れませんでしたけどね、乗り過ごさないようにと緊張してましたし。でも台北で乗客が一斉に降りたので、熟睡していても目が覚めてたでしょう。
電車に乗っていて、不思議に思う事がありました。
乗降ドアが故障してたのか、1箇所だけ車掌が手動で開け閉めしていたんです。
到着前にドア開けて、ホームで下りると指差し確認、出発後に無線連絡してからドア閉めてガチャリと鎖をかける・・・・・・の繰り返し。
その車両に乗ってるのは、せいぜい5人ぐらいなんですね。鈍行ですし、乗降客も少ないんです。ドアに貼り紙でもして閉鎖しておけば済みそうなものを、しかも見ている僕にすれば車掌の方が危なっかしい訳です。

別な時に切符の行き先よりも手前で下車したら、わざわざ9元の差額を払い戻して受取証まで書かれてしまいました。コンビニで貰うレシートも、保管する義務があるそうなんですが・・・・・・。
もちろん(おかしいから正すべきだ)とは思ってないんですよ、そういうふうに大雑把さと几帳面さが同居する人間味がまた魅力なんです。