2007年10月27日

【'05台湾×2】26/なぜ?の嵐

 台輪大旅社のフロントで、しばしリンさんの日本語会話につきあってました。
 本人いわく昭和5年生まれの70代だそうで、「昭和61年に日本にアルバイトに行った 」のだとか。
「私いなかっぺだから、雪みたことない。お正月の6日、東京に行ったよ」
 そう言って腰をさすってましたが、おそらく雪道で滑ったのでしょう。出てくる地名が下町の、割と僕の地元に近かったので、妙に盛り上がってしまいました。

 日本の長話もほどほどにして、外を歩き回ってきますか。
 少し大回りして夜市の通りから中山公園へと、日が差して暖かな屏東を散策です。
 商店の店先に焚き火と飾り物があって、きっと昨日の祝日絡みなのでしょう。以前にも見た事がありますが、合理主義の台湾で祭祀儀礼が大切に扱われている事にほのぼのとした気持ちになったりします(その辺は「台湾日記 7日目・1/高雄ふたたび」ご参照くだされ)
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 中山公園に近い露店で紅餡餅(1ヶ30元)というのを買うと、大判焼きの袋を寄越しながら「ありがとう」って・・・・・・。
 だーかーらー、なんで分かっちゃうのかなぁ〜!?
 別に日本人だと思われたくないんじゃないのです、ただ一目で見抜かれるのって少しだけ居心地悪いような落ち着かない感じになっちゃうんですよね。それが何度も続くと、さすがに気になったりもします。
 台輪大旅社のリンさん、潮州駅の「謎茶」オバチャン、屏東駅のホームで会った大家族の老婆etc..。
 そしてこの後、高雄で出会うことになる許さんとフジタさんも、みんな日本語で話しかけてきたけれど。
 自分では思い当たる節がなく、特に今なんてリュックも背負ってないしTシャツ1枚というわけでもないんです。でも考えたって答えが出てくるはずもないし、これからも言われるたびに背筋をモゾモゾさせるだけですが。

 公園の前でジュースの露店が出てました。ケースの果物(小さい青みかん)を指差すと、氷と一緒にシェーカーで振ってくれるんです。オバチャンでしたが堂に入った手つき、小で20元。
 公園内は子連れ以外みなオッサン、法輪功の垂れ幕でヨガってる人々もいました。のどかで人の行き来がある、そこそこ広々とした公園です。
 ハト糞で汚れてないベンチを見つけ、先ほどの紅餡餅と青みかんジュースで軽い食事を。袋を開けたら、3ヶの筈が6ヶも入っていてビックリです。冷めてたからでしょうか、それとも日本好きだから?
 すっかり満腹です、しばらく甘いものは要らない気分。
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「台湾光速/奇跡」という網咖を見つけて入ってみると、ここもチェーン展開してる店っぽいのですが日本語が打てませんでした。
 そういえば今朝、潮州でチェックアウト前に向かいのK−netに入ったんですね。そこはコイン投入席とカウンターで席を指定する仕組みが混在していて、前夜と違って日本語入力できなかったんです。
 なので席替えを希望したら、店員は例によって客を引っ張ってきちゃう。話が通じない訳でもないのに変だなと思ったら、その客はなぜだか前夜に僕が座ってた席を覚えてたんですよ!?
 親切でありがたいんですが、ちょっと妙な感じがしますよねー。
 台北の網咖とか鍋料理の「3皇3家」もそうでしたが、店員が客で来てるにしては出来過ぎてますよねぇ。仮に馴染みの客だったにしても、毎回うまくいきすぎて・・・・・・ちょっとコワイっす。
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追記:「台湾でWindows日本語入力選択」に関して

 ところでIME、実はブラウザで日本語サイトに行けば出てくる仕様だったみたいです。ですがこういうのも網咖によって、あるいはPCによって違っているようなんですね。
 というかウィンドウズ98とか2000だし、しかも表記は中国文ですから何がナニやらお手上げです。
 でも日本語入力のアプリケーションがインストールされてる場合なら、およそ以下の方法で呼び出せる事が分かりました。参考までに。

 *****

 画面右下の「CH」と表示されてるであろう箇所を左クリック
 「顕示語言列」というのを更にクリック
 そんで出てきたバー表示の右端にある小さい▼(選項)またクリック
 下から2番目の設定値をクリック

 「文字服務和輸入語言」ウィンドウの設定タブ2段目「己安装的服務」新規ボタンをクリック
 プルダウンされる一覧から「日文」を選んで確定ボタンをクリック
 ウィンドウを確定クリックで閉じ、しばし待つ。
 すると先ほど「中文」しか選べなかった場所に「日文」が・・・!

posted by tomsec at 15:33| Comment(2) | TrackBack(0) | '05台湾×2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月18日

96*そして誰かが途方に暮れる

 世の中に「女性専用車両」というのが登場して、しばらく経ちましたな。
 あれって、障害者も乗れるのだそうだ。でも僕だけじゃなくて、やはり世間でも認知度は低いようで。
 特に外見で障害を持っているか分かりにくい男性は、車内で白眼視されたり詰問されるみたい。

 思えば障害者用のトイレや駐車場だって、四肢に不自由がなくても何らかの障害で止むを得ない事情は起こり得るんですよね。
 電車で優先席に座っていた妊婦が怒られたとか、エレベーターで右麻痺の人を支えていたら後ろから「右側通行だ」とどやされた・・・といった勘違い話も。
 なるほど、駅のエレベーターに群がる人々を(横着者め)と決め込んでいた自分も同じ穴の狢であります。あれだって健常者とは限らなかったのだなぁ?

 障害者が、健常者に分かりやすい障害者でいなければならない・・・としたらですよ。その方が、考えてみれば怖い。
 そういう意味でも、見た目ってのが大事な社会なんだよなー。
 というか、こう考えたりしちゃう自分の「余裕のなさ」に問題の根っこがあるのか・・・。

 ちなみに軽々しく「障害者」という表現を用いて不快に思われる方がいたら失礼、ただ僕は腫れ物に触るみたいな語感は避けたいと思っているだけで他意はありません。
 そういえば僕は「インディアン」を「ネイティブ・アメリカン」とは言わないし、インドの「ヒジュラ」を「聖なる手」とも呼んでませんな。
 それもまた、どちらで呼んでも傷つく人はいるのだと思ったからなのです。まぁ気持ちの上でね、活字では伝わらないので念のため。

 また話は違うんですけど、たとえば晴れた日に腕を布で覆っている女性。
 てっきり(美白と紫外線対策の過剰反応ね)とばかり思っていたんですよ、もちろん他人の勝手ですけどね。まぁ(モテない女性の男嫌い)と同レベルの貴婦人気取りに見ていたんです。

 でも母にそう言ったら、意外な話を聞きました。
 ホルモン治療を受けている人は、肌が過剰に反応しやすいので「日焼けと虫刺されに注意しないといけない」のだそうです(甲状腺の治療だったか、専門的な部分は忘れましたが)。
 なので母は、僕とは違って(ホルモン治療を受けている女性がこんなに増えてる)と思っていたそうで。
 他人の事情とは、計り知れないものなのですなぁ。

 世間では様々な問題が取り沙汰されていて、でも時々ヒヤッとするんです。いや別に後ろめたいからでなくてね、正論の切れ味とは恐ろしいものだと思って・・・。
 そもそも本来は「裏なコト」が(生活の裏ワザ)とか(渋滞の裏みち)なんて、処世の知恵みたくまかり通っているのと表裏一体な気もするんですけどね。
 だからって抜け穴をなくすように緻密な罰則を決めるとか、分厚い契約書みたいな方向性にも薄気味の悪さを感じるし。それが却って、明文化されていなければ都合よく解釈しても何らはばかる事ない構造を肯定してるみたいだし。

 ところで水泳のフォームって、自分が思ってるよりも情けないんですよねー。
 小学生の頃、指導員の泳ぎを見ていて(ゆっくり泳ぐと速いんだ)という大発見をしたんです。無論とんでもない勘違いなのですが。
 それをクラス対抗リレーで実践してしまいましてね、息継ぎの合間に聞こえる大歓声!・・・と思ったのは大差で敗れたブーイングの嵐でした。
 その夏休みは特訓を受ける羽目になりましたが、最後はコーチにほめらるまで上達したんです。
 で、その10年後。その間に泳法は大きく進化していて、プール監視員になった僕は先輩から「お風呂のオモチャだ」と失笑を浴びたのでした。

 たとえば、どこかのブログに書き込みする時。しごく真っ当に思える意見に、嬉しさのあまり激しく賛同するコメントを送信しかけてヒヤッとするんです。
 猛省を促す、配慮を求める、あるいは自重せよ・・・なぁ〜んてコトは言いませんけど。なんというか、妙に空々しくて聖人君子めいた自分の言葉にね。
 たとい(その件に関しては潔白である)としても、だから強気に出るってのは違うかって気がしたんですよ。
 まるで自分が常にベストの状態みたいな、苛々してたりボーッとして間違える事がないみたいな語感に。
 メディアが掲げる(市民の声)の中にも、同じ怖さを感じてしまう時があるんです。
 謙虚さを口にしながら、一向にそれが身に付かない僕なのですが。

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平成19年10月10日


posted by tomsec at 19:53 | TrackBack(0) |  空想百景<91〜100> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月08日

【'05台湾×2】25/ふたたび屏東



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 なかなか朝食を採れる店が見当たらず、宿の前まで戻ってきたら昨夜の屋台店が開いてる!
 まだ支度中なのか、親父さんは路上に出したテーブルで悠長に朝刊を読んでいます。小柄で、台湾の男性にしては柔らかなご面相。
 粥を頼んでみると、店の奥にいるらしい奥さんに言い付けて僕に話しかけてきました。カタコトながら英語が話せるので、何となくだけど言ってる内容は伝わってきます。
 昨夜の手際よい動きと違った、どこかしら威厳のようなものを感じさせる物腰。それでいて好奇心あふれる眼差しと飄々とした話し振り、なんだか只者ではない感じ。

 さて、粥が出来上がって・・・・・・って、やっぱり雑炊ですか〜。
 僕が「好吃(ハオツー)」と言うと親父さんは「中国話很好!」と紙に書いて腰を上げました。
 漢字の雰囲気からすると「中国語を話すのが上手いね」って意味でしょうか、だけど発音も習った訳ではないし、つまり日本人がいう「日本語うまいですねー」って感じかな。
 少なくとも(通じてるよ)って事なら、そう教えてもらえるのも光栄です。
 50元を払う時、細かいのがなく1000元札を出すとチェックされました。愛想好い親父さんですし、堂々と調べられても厭な気分はしません。
 地方都市で、得体の知れない旅行者で、高額紙幣だもの。よくある事です(僕だけかもしれませんが)。
 こういう手間は、両替の時点で細かくしておけば省けるんですよね。
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 チェックアウトして屏東まで。
 潮州からは、駅数でいえば2,3の距離です。電車(普通車)だと17元で50円以下ですよ、自強号でも26元だった筈です。
 本当に何事もピンキリの幅が広く、その最低ラインの低さに豊かさを感じたりします。
 一般的な物価の基準は日本と大きく変わらないんですが、安上がりに済ませられる度合いが日本とは段違い。

 台湾でもファストフードのチェーン店が多くて、KFCハンバーガーは69元。モスバーガーのチリドッグとレモン&サーモン味(期間限定)のライスバーガーも各65元で、まぁ200円前後なんですね。
 つまり(少々安いかな)というレベルなんですよ。
 ただし、味に関しては微妙ですが・・・・・・。
 作りたては問題ないのですが、しかし冷めた時の食えなさ加減は割り切っちゃってるとしか思えない!
 パンも具も足が速いというか、日本とは明らかに何か違うんですね。台湾の食材が粗悪なのか、日本の食材に混ぜ物が多いのかは分かりませんが。
 熱咖啡は30元、異様に温くて煮詰まった麦茶みたいな味です。そういう飲み物だと思って、ちゃんとしたコーヒーは専門店かスタバを探すしかないですね。
 ひょっとしたら例の「謎茶」も、屋台店などで紅茶を頼むと普通に出されるのかもしれません。(←まさか!)
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 今回の宿は、もう少し駅前から市街に入った台輪大旅社です。
 前にイタメシ屋で夕飯を食べた時、大通りの向かい側に500元のノボリが出てたのを覚えてたので(その辺は「'05台湾×2 08/再会!ヨウさん」ご参照くだされ)。しかし安宿になるほど商売っ気がなくなるのか、ここもひっそり薄暗いフロントです。
 そして、またもいきなり日本人と看破されました。
 やはり「ニーハオ」の発音でバレるのか、それともこのリュックが台湾人には見えないのかな?
「部屋を見せてほしい」と言うと、210と311の鍵を渡されました。
 まぁ部屋を案内してくれるとは限らないのですが、それにしても・・・・・・。
「どちらか気に入ったら、そのまま荷物を置いてきなさい」なんて言われたのは初めて。
 思いっきり日本語で、しかも「100元安くしてあげるから、600元でいいよ」って?!
 いやあの、500元では?

 そしてここでもサザエ巻き!
 潮州の宿に続いて、まったく意味わかんなくて妙に好きだなぁ〜。
posted by tomsec at 00:09| Comment(4) | TrackBack(3) | '05台湾×2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする