2003年07月17日

07*八重歯の効能

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 ケーブルTVで、たまたま「ドリフ大爆笑’77」を観ちまった。
 1977年といえば昭和52年、僕は9歳だから小学校4年生だ。メンバーは若々しいし、親分さんで知られた小松氏やガチョーンで有名な谷氏も出てるじゃないか。
 世相や流行を取り込んだコントで、ドリフのリーダーが「貸本屋」と「カラオケ」についてコメントしていたのが意外な感じだった。少なくとも、当時の僕の行動半径内に貸本屋なんてすでになかった。そしてカラオケという言葉を聞くのも、まだずいぶんと先の話だ。
 まだコンビニもなかったし、夜中に開いているのは当然ながら飲み屋しかなかった時代の話だ。ゲームも「スペースインベーダー」がアメリカから上陸したばかりで、喫茶店が焼き肉店のようなテーブルに替わってしまったのは印象的だったなぁ。パチンコも、当時の大人は一発ずつ指で弾いて楽しんでいたし。

 それはともかく。当時はドリフのメンツが入れ替わり、人気は天井知らずだった訳さ。彼らが登場する人形劇にはピンクレディも共演し、キャンディーズも小松&伊東両氏の人気番組でバラエティやってたもんな。…ってなんか(昔は良かった)調になってきたな。
 話を戻すと、ふと思ったのは(八重歯が可愛かった時代って過去なのか?)って事なのです。
 今では歯を矯正してる女のコって珍しくもないけどさ、八重歯のコは見かけなくなってきたような気がしたのよ。そういう笑顔を売りにしたアイドルも、最近いないみたいだし。10代の頃に「八重歯って、海外じゃあ吸血鬼みたいで可愛く見られないんだぜ」って話を聞いた事があったけど、本当に減少してる感じがする。
 後天的な社会的性差をジェンダーって呼ぶらしいんだけども、八重歯にドキューン! っていうのもジェンダーなのかね?

 僕は八重歯に弱かった。あの江口寿史「すすめ! パイレーツ」にも登場したアイドル、写真集とか買っちゃってたもんね(ひー!)。当時の女性アイドルは、次々と八重歯を強調した微笑で「明星」にデビューしてきた。昨今では売り出し文句が巨乳になっているように、時代によって移ろう(魅惑のパーツ)の一種に過ぎなかったのか? そんな気もしてくる。
 どこで聞いたか忘れたけれど、キューバでは胸より尻なんだって。実際、彼女達はスパッツか超ミニスカで、明らかに下半身を強調してる。回りくどくない、直球のファッションで男性にアピール。しかし何故かスカートのラインまで、ムダ毛処理をするんだとか。微妙に、内側はしないそうだ(気が付かなかったな)。それがまたキューバの男性にドキューン! なんだってさ。ミニスカに見え隠れする、ムダ毛に? よく分からん…。

 よく、フェチという言葉を耳にするよね。いろんなフェチがあるらしいんだけど、つまり何にせよ(エロティックな要素を収束させた象徴)なんだって気がしてきた。でもって、そういうのって地域や時代ごとの文化による決め事のようなものとして、あらゆる社会にあったんじゃないかってさ。
 中国の纏足も、インドネシア(だっけ?)の首輪も、アフリカの口輪も、最初は身を守る術だったりといった理由から始まった風習が(魅力の対象)として別の意味を持つようになったらしいよ。最初の価値を失って文化に同化してしまうと、文化が変わってしまえば象徴ではなくなって、女性への侮辱と見なされたりもする。
 でもさ、八重歯もムダ毛も奥ゆかしい巨乳のようなものだよなぁ。女性の、男性に対する切り札にしか思えないもん。
 ドキューン! とは来るけど八重歯フェチじゃないからね、僕は。

 平成15年7月17日


posted by tomsec at 18:55 | TrackBack(0) |  空想百景<1〜10> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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