2005年05月29日
【台湾の7日間('02.12/13〜20)】6日目・4 「ショッピング」
すっかり日が暮れてしまったが、Tシャツ選びに店を回る。
牛仔専門店(ジーンズショップ?)で売っていた、エドウィンの安いもので1000元以上。ボーダー系の店だと倍近い値段のもある。たかだか3千円から6千円程度、日本だと思えばムッとする値段ではない。
しかし、台湾に来てから食事と宿と交通費しか金を使わない僕には高い買い物だ。屋台とはいえ100元程度で外食できて、600元で寝泊まりできる。僕の生活基準が、一般市民より低いのだろうけど。
もちろん量販店に行けば、一枚100元でワゴンセールをやってる店もある。だが、デザインはパクリで生地はヘナヘナだ。帰国した瞬間に捨てるようなものを買う気になれない。
昼間のぞいたスポーツ店で、オーバーシーズンのTシャツが赤札品になってたのを思い出した。路地に迷って別のスポーツ店に入ると、安く売っているのはナイキしかなかった。ナイキはスニーカー(しかもオセアニアとかコルテッツみたいなの)に限る、などと生意気を言ってるうちに、シャッターを下ろす店が増え始めた。
焦ってナイキの店に戻り、SOFOという台湾メーカーのTシャツを買った。ナイキと同額の390元、これなら買い得だろう。
店の女のコは、英語はイマイチでも日本語をいくつか知っていた。レジカウンターに食べかけの蓮霧が乗っていて、林邊の事を思い出すと遠い記憶のようで胸がスースーしてくる。
宿に帰ってTシャツを着てみたら、フィットし過ぎてビーチク浮き立ってた。XLではダブつくかと思ったら、知らないうちに僕がデブついてたって事さ。
話は変わるが、台湾の店員は接し方がフランクだ。働くスタンスがのんびりしてるというか、日本と比べると楽しそうに仕事をしている。自分が雇う側なら日本人を雇い、客の立場なら台湾人の店員がいる店に行きたい。
そのように考えると、日本の店員の接客マナーは経営者のためにあるような気がしてくる。それとも日本で店舗経営を生業にしている人間が来台すると、台湾の店員に(なっとらんぞ!)って感じるのだろうか。
宿の近くにある、ゲーセン脇の屋台で夕飯。肉燥飯と**飯(日本の漢字じゃないし、発音も不明)。
ここの肉燥飯もそぼろ系。飯物に必ず付いてくる吸い物、ここのは少し美味い。他と同じような、焼きネギ&セロリ(白菜?)汁である事に違いはないけど。
台湾のゲーセンには珍しく、ここはプリクラが並んでて若い連中しかいない。大抵のゲーセンはどこも、麻雀やルーレットの怪しい博打系の店ばかりだが。
それにしても、プリクラに溜まってる女のコやゲーセンに通うカップルの匂いは、どこも変わらないものだ。
向かいの狭い路地を入れば進成賓館なのだが、こんな近場にネットカフェが2軒もあったなんて気付きもしなかった。いかにも場末の安ゲーセン的な雰囲気、オタクのためのオタクな店という感じ。パメラ達では、この空気だと勤まらないでしょ。
進成賓館のフロントには昨夜のオバチャン(ヨーヘーホーさん)がいて、昼間とは別の清掃係のオバチャン(カクユミコさん)とお茶を飲んでいた。妙に安心する。
二人が飲んでいたのはプーアル茶で、勧められるまま僕も和気あいあい世間話。これでいいのだろうか? ラブホのロビーで和んでても。
何げなく「日本の若い女性には、台湾式のお茶が流行しています」と話したら喜んで、茶葉を「部屋で飲みなさい」と言って分けてくれた。台湾で有名な高山茶という銘柄だそうで、しまいには残りの袋ごと全部くれると言い出した。うーん、でもありがたく頂戴しましょうか。タイシェーシェーニンレー。
清掃係のオバチャンが「プケチー」と答えた後で「ローラー」と言った。そして日本語で「これは先住民の言葉で、ありがとうの意味です」と教えてくれた。
シワに埋もれたような彼女の顔立ちは、よく見ると微妙に中国系より目鼻立ちがはっきりしている。
ローラー、ローラー。
シャワー浴びてベッドでくつろぐ。何か鼻に付くなー、と思ってクンクンしたらジーパンの匂いだった。
一週間近い汗と埃が蓄積された、芳醇な香りだ。そういやこれだけ替えを用意してなかった。気になりだしたら我慢できなくなってきたが、洗っちゃったら生乾きのまま履くか新品を買うしかない。どうする?
で、閉店寸前の店を回ってジーパン試着。なんと34インチさえも入らず36で何とか、しかしウェストはガバガバ…って? 試着室にこもったまま、親切でカワイイ店員を忙殺するのは気が引けるが、体型に合ってない上に2000元もするのでは買えないわ。
嘘だと判っていながら「明日また出直す」と生意気な事を言って店を後に。良心が痛むが、やはり情に流されて7、8千円も出せません。
その足で夜市へ。蔡家拝骨酥麺45元、旨し。薄味なんだけど、骨付き牛肉の唐揚げが良いダシに。それにしても香草系好きだよなぁ、台湾の人って。大抵の湯[タン;汁物の総称?]には何かしら入ってる、春菊みたいなのとかセロリとか。これも慣れればイケる。
食後に昨夜のジュース屋で、スイカジュース35元。女のコたち覚えててくれて、みんなで写真を撮った。
昨夜の物乞いはいなくて、隣にいた車椅子少年だけが今夜も素足をこすり合わせている。小銭を渡したら返され、無言で100元を見せられた。強気な態度に負けて100元、すると黙ってカードをくれた。彼は、スクラッチ宝くじを売っていただけなのだ。なんとした事か!
大変失礼しました。なので一枚買う。昼間は初夏の気温でも、さすがに夜はTシャツだけじゃ肌寒い。震えながらも毅然としていた、あの少年に幸あれ。
帰ってヨーさんに訊こうと思ったら、フロントにいたのは知らないオジサンだった。彼にスクラッチ宝くじを見せたが首をひねるばかり。僕はCATVで宣伝してたのを観た事があるのに、この人はそれすら知らないらしかった。
(ショッピング−おわり)
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