2005年05月29日

【台湾の7日間('02.12/13〜20)】5日目・6「たのしい夜」


20050529701e9922.jpg なぜかメールが送れない。台湾と日本の国交が関係してる訳ないよね? 仕方なく、またネットカフェの女のコに来てもらう。
 顔立ちは高校生のように幼いが、パソコンの扱いは実に手慣れたものだ。背中越しに柔らかな体温が伝わってくるようで、なんだかその気になってしまいそう。もちろん、彼女にそんな気は全然ないのは分かっている。でもこれは頭の理屈ではなく、体の言語だ。
 以前、PCインストラクターをしてた女のコが「当時はオヤジに異様に好かれた」と言っていた。今そのオヤジ心が、実感として理解できる。なるほど、こりゃ堪えられんわい。
 などと勝手にトリップしてると、彼女がキスしようとした。
 というのは僕の思い違いで、単に「あなたのアドレスは?」と訊いてきただけだった。
 なあんだ。
 送信できないのは、そういう事だったのか。考えれば分かりそうなものだ、だけど我が家のパソコンは入力する必要がないので覚えてなかった。
 彼女は「それなら私ので送ってあげるけど、返信されたら困る」という。僕は文面を指して「ネットカフェから、と書いてあるでしょ? 多分大丈夫」と答えた。
 彼女は文の最後を見て「貴方は、motって言うの?」と言った。そして自分を、パメラと名乗った。
 良い名だ。ビーチボーイズの歌みたい。あるいは、元プレイメイトみたいで素敵だな。
 でもそれって、ひょっとしてニックネームというより源氏名なのでは?

 受付で、自分の携帯の写真機能を思い出して撮らせてもらう。
 もちろん海外で使えないのは知っていたけれど、デジカメ替わりに持ち歩いていたのが思いがけず役に立った(使い捨てカメラは宿に置いてきたのだ)。一緒にいた女のコと3人でピース、遠巻きに見ていた男子バイト2人も撮ってあげる。
 台湾では、まだ写メールは珍しいらしい。パメラに「送れるの?」と訊かれて「台湾ではつながらないが、日本なら」と答えると、アドレスを書いて僕にくれた。
 うお? これって出逢い?!
 急に元気が出てきて、軽い足取りで晩ごはんを食べに行く。

 夜市。店じまいした商店街のシャッターに貼りついて、即席の料理店が軒を連ねている。露店そのものは珍しくもないが、直線で500mぐらい密集していたら圧巻だ。しかも通りが狭くて込み合っている。
 人込みは非常に苦手だけれど、今は浮かれ気分で全然平気。でも、原チャリまで押し通すのは遠慮してもらいたいものだ。どの店も、調理屋台を囲むように椅子やテーブルを置いている。
 物乞いの角を左に折れて、明るい感じの店に目がいった。店先に下がった札に「龍眼…粥」というのがあったので、どんなものか頼んでみる。この店は、果物を陳列したガラスケースを前面に出して、客席は調理場の奥にあった。果物がまた美味そうで、まんまと喉が渇いてきた。
 マンゴーは季節的に品切れだったので、パパイヤをジュースにしてもらう。思ってたより薄味、でもスムージー状でおいしい。

 龍眼の粥は、甘くて温かい茶飯色の粥だった…。これって、サクランボですか? 見た目で想像したのと違う味だと、本当は美味しくてもダメなんだよねー。もったいないから完食したけど。

 店の女のコ3人は少し英語を話せるけれど、会話の70%は筆談になった。彼女達も見た目は高校生か、それより幼い感じ。
 ここでも“我的台湾初訪問初単独旅行”と書いてみせたら、口々に「勇気があるね」と尊敬の眼差し(漢字を並べるだけで通じるのだ)。こちらとしては「自分は言葉も話せないし台湾はド素人なんです」という、弱気な姿勢を書いたのに。毎回ウットリされるので、つい図に乗って“気さくな冒険家”を気取ってしまう。
 あと「34にしては顔が若い」とも言われた。うははははは、もっと言ってごらん。
 ああっ、僕ってダサい奴。
 帰りがけに「タイシェーシェーニンレー!」と言うと、「プケチー」と返ってきた。ガイドブックにも載ってた、どういたしましての不客氣ね。これまで僕が言っても通じなかったのは、ずっと「ブケキ」と発音していたせいみたいだ(発音レクチャーしてもらった)。
 手を振って店を後にして、角の物乞いに小銭放る。そういえば初めて見た、台湾の物乞い。

 コンビニで、ビールとつまみなどを買う。あと紙コップのコーヒー。何にしようか迷って店内うろうろしてたせいか、店のコが話しかけてきた。でも英語が通じない。やっぱりねー、今っぽい感じのコに限って話せないんだから。
 大学生くらいか、割と洒落た格好をしている。BGMに宇多田ヒカルの新曲が流れてきたので、これで仲良しになる口実になるかと思ったがダメ。台湾で出逢った中で、ベストオブ・ノリが悪い女性は君に決定。

 まだ8PMにもなってない。
 やる事もないし、ベッドでコーヒーを飲みながら芸能雑誌を眺める(階段のマガジンラックにあった)。日本の俳優や歌手のグラビアが多く、そういえば恰日族[ハーリーズー;台湾の少女達が日本文化に熱中する社会現象]って話題があったなぁと思い出した。最近は聞かなくなったけど。
 ところで、台湾では日本語の仮名表記を漢字に変換してしまう。モーニング娘。を、こちらでは“早安小姐”と見事に意訳していて笑った(実際の命名は、モーニングサービスのお得な感じに由来するとか?)。
 友人Nの話では、サザンオールスターズが“南方乃星”だったらしい。それならば、はらたいら氏は“原平”だろう。
 ハリウッドスターは、発音が近い漢字に置き換えていた。特にリブ・タイラーの記事が多かった(表記は忘れたけど)のが印象的。


(たのしい夜−おわり)
posted by tomsec at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾の7日間('02.12) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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