2005年05月29日
【台湾の7日間('02.12/13〜20)】4日目・1 「小琉球へ」
肌寒い朝だ。また冷えて眠れなかった。
8AM前にドタドタ足音。昨夜の、三山國王協会の2人だ。送迎役の男性と、日本語の達者な71才。順仁をチェックアウトして、彼らの車に乗って林邊を発つ。
東港までは案外遠かった。3公里で9キロだっけ? フェリー乗り場まで送ってもらって正解だった。東港は賑やかで大きな町だったので、一人で歩いてたら何度迷っても着けやしなかっただろう。
乗船所の前で車を降りると、レンタルバイク屋が近付いてきた。小琉球の観光用に、機車(原チャリ)を貸し出す勧誘だった。まだ船の切符も買ってないし、僕には必要のない話だ。
しかし71才、頼んでないのに客引きの通訳を始めた。その揚げ句、僕に「借りなさいよ!」だって。勝手に乗り気になってくれても、僕は国際免許なんか取ってこなかったもん。
「大丈夫だって、問題ないよ!」って、客引きの言葉を鵜呑みにして良いのかよ。あんまり言うので、年寄りの顔を立てると思って300元を払う。
服の上にステッカーを貼ってくれて、これが小琉球に着いた時の貸し出しの目印になるらしい。
9AMの出航まで、あと30分。朝食替わりに昨日のバナナ、売店で缶コーヒーを買った。友人Nの言ったとおり、台湾の缶コーヒーは日本人に飲めた代物じゃない。本当に、何とも言えない不味さだから。
桟橋で買った、茹でトウモロコシ。これも不味い〜。プップーとクラクション鳴らすだけの、無口なおばちゃんが売っていた。口直しに昨日の残りのバナナ2本平らげて朝食にする。
出航してすぐ船内で眠りこけ、半券もぎりに来た船員に起こされた。それでも夢うつつのうちに30分して接岸。小琉球に上陸。
早速、うさん臭いオヤジが。というか台湾のオヤジは皆そうなのだけど、ハウンドドックのVo.を塩辛くしたような感じが尚更。でも人は良さそうで、ステッカーを指して原チャリを貸してくれた。
貸し出し用に並んだ機車に目をやって、ふと気が付いた事がある。
台湾で機車と言えば原チャリって位、いわゆるオートバイは見かけない。普及率は世界一だかアジア一、というのもうなずける。
高雄や林邊でも見かけたが、そういえば台湾の機車って、必ずシートにビニールがかかっていて、その隙間には薄いクッションや銀色のフィルムを挟んでいる。どう見ても手作り工作っぽいこれ、なんなんだ?
紫外線が強すぎて、シートがボロボロになるのを防ぐためか。それとも日差しで熱くなったシートで、短パンで乗った時に股をヤケドしない対策なのか。
台湾でもう一つ面白いのは、機車に乗る女のコ達が主に着用しているファッションマスクみたいなの。おそらくは排ガス対策を兼ねているのだろうけど、見た目がレディースで引いてしまう。
塩辛オヤジに宿を尋ねてみると「小琉球大飯店」を勧められた。
港からの坂を上がって右折、つい左車線を逆走してるようじゃ先行きが心配(台湾は右側通行)。事故らないよう、本当に注意しなくちゃ。
で、小琉球大飯店。一泊1000元?! でも窓からは海が見えるし、ベッドもバスタブも広々している。林邊の宿があんまりだっただけに、思わずOKしてしまった。今夜はグッスリ眠れるー。
宿代を払ってから、大事な用を思い出した。
東港で両替するつもりだったのに、すっかり忘れてたのだ。もう昼食代しか残ってない。
フロントで地図まで書いてもらったのに、通りすがりの人に尋ねても見つけられない。仕方なく、向かいのポリス・オフィスに。署内は閑散としていたが、運よく日本語を話す警官がいた。
そのカクさん(35)が言うには「この島の銀行では、両替できません」と。
がーん! 手持ちの100元では、フェリーで東港に戻る訳にもいかない。いきなり大ピンチじゃん!
頭を抱える僕に、カクさんは電話をかけながら言った。
「よく日本に旅行する男がいるから、聞いてみましょう」
非番の同僚が、わざわざ両替に来てくれる事になった。しかも署内のPCで、臺灣(台湾)銀行のサイトから外為レートを調べてくれる。嗚呼、旅は情。
同僚が来て、5千円を渡すと1500元も出された。あまりにも多すぎるので遠慮したけれど、カクさんが通訳して言うには「彼は金持ちだから気前がいいんだ」とか。うーむ、心苦しい。
後で計算してみたら、5千円じゃ1000元にもならなかったのに。
「おかけなさい! お茶どーぞ!」
元気の良い日本語で話しかけてきた、人懐っこい感じで嬉しそうに笑うオジサン。年齢は40代後半か、彼は「はやし、と書いてリンと読みます」と名乗った。
勧められるまま、署内でお茶をいただく。しばし世間話。
茶器は、日本と少し違う。ちっちゃい急須に茶葉を入れ、お湯は下の受け皿にこぼれるまで注ぐ。それを、別の大きめの急須に繰り返し移して茶碗にいれるのだ。多分、烏龍茶だと思う。
それが、いくらお湯を継ぎ足しても味が変わらないから不思議。
(小琉球へ−おわり)
この記事へのコメント
この記事へのトラックバック