2005年05月30日

【台湾の7日間('02.12/13〜20)】1日目―1 「高雄へ」


2005053070d61395.jpg 海外旅行は、メキシコのカンクン(とキューバのハバナ)に行って以来だ。
 あれから6年も経っているが、飛行機に乗るのは本当に面倒極まる。この手間だけは何とか省略できないものかと切実に思う。飛行機が旅を苦痛にしている。
 時間前に搭乗手続きしてもらったのに、ナイフで手荷物検査に引っ掛かってしまった。
 いわゆるアーミーナイフで、以前にもグアムで同じ目に遭ったのにうかつだった。折あしく、アメリカはテロに過敏になっている。そのため、ノースウェストは現地受け渡しも出来ないと言われた。
 必要ないとは思うけど邪魔にはならないし、持っていて困る事はない。ひょっとしたら野宿するかもしれないし。
 仕方がないのでカウンターに引き返し、リュックを戻してもらってナイフをしまった。やれやれ、とんだ二度手間だ。
 出発時間は5:26PM、ゲートからバスで移動して飛行場の片隅へ。そこには、座席が左右3列しかない小型ジェット機が待っていた。

 中華民国、つまり台湾はサツマイモのような形をした島国だ。緯度的には沖縄本島より少し下、僕が向かう南部の高雄という都市は香港と並んでいる。だから基本的に南国、だけど島の南北では冬の気温差が大きいらしい。
 ガイドブックによると、北部の台北(tai-pei)は亜熱帯だが、南部の高雄(kaoh-siung)は熱帯性気候。どちらも成田と関空から直行便が出ている。だったら当然、高雄から熱帯めぐりしかない。
 成田〜高雄は1日1便、到着は夜になる。今夜は高雄で一泊して、あとは気の向くままに8日間。今夜の宿だって決まってないから、すべては台湾に着いてから始まるのだ。でもすげー不安。すでに初夜から、僕にとっては冒険の領域なのだ。
 初めて一人旅をするにしては無謀な気もするけれど、そこは放浪の友人Nの心強い助言あってこそ。幸い、彼は高雄にも滞在経験があった。そこで宿捜しから安上がりな食事まで、一切合財を伝授してもらっているのだ。

 およそ3時間で、高雄國際機場(飛行場)に着陸。時差が1時間あるので、もう10時15分前。
 到着ゲートを出て右側に台湾銀行の窓口があり、ひとまずは1万5千円を両替。4352元。
 台湾の通貨単位は、国際的な呼称はNT$(ニュータイワンドル)だ。国内では元、なのにお札は圓という単位だ。その意図は分からないが、1NT$=1元=1圓だから紛らわしくはない。
 建物を出ると友人Nの言っていたとおり、出迎えの車とタクシー(汽車)とバス(公共汽車)が引っ切りなしだ。それと、けたたましいクラクションの音。とりあえず、一服しよう。
 嫌煙派のために3時間もタバコを我慢してあげた。それって立派な事じゃない? でも周りで吸っている人達を見てると、胸を張るほどカッコ良くない気がしてくる。
 熱帯! という感じはしなかった。飛行機に乗る前から、冬着はリュックに入れてしまっている。今はTシャツの上にトレーナーを重ね着しているだけだ。トレーナーを脱いだら気持ち良いだろうけど、着たままでいても快適な気温だった。

「往高雄、と書いてあるバスに手を挙げろ」
 それが友人Nの教え、最初の実践だった。追い越しレーンにいても、手を挙げれば停まってくれるから。
 そう言われても、この慌ただしさでは腰が引ける。東京だったら、すぐに事故るか喧嘩になっているだろう目まぐるしさ。玉突きが起きないかとヒヤヒヤしてるうちに、早くも3台を見送ってしまう。
 そうこうするうち、現地の人が目当ての公共汽車を停めた。その後に続いて乗り込み、運転手に「往高雄火車站前?」の紙を見せる(友人N直筆)。身振り手振りで12元、運よく小銭がピッタリあって助かった。
 友人Nが小銭を切らした時は、他の乗客が調節してくれたらしい。料金箱に、釣銭の出口はないのだ。
 目的地は、終点の高雄火車站前。火車は鉄道、站は駅の事だ。
 同じ漢字文化の国とはいえ、すべての表記が共通している訳ではない。それでも言葉の違いは筆談で補える、そう思うと心強かった。

(高雄へ―おわり)
posted by tomsec at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾の7日間('02.12) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック