この頃、よく「愛のコリーダ」が頭の中を駆け巡るんだよなぁ。
かなり昔の曲だけど、最近よくCMで流れててさ。図書館でCD見つけたから、歌詞カードをコピーして歌ったりしてるのね。部屋ン中でだけど。
もうすっかりカラオケなんざ行かないけどさ、こういうのって隠し球的に役立つ事もあるんだよ。だって職場の歓送迎会なんかで、急に「オマエも一曲やれ」みたいになったりするじゃん?
まぁ、そういう初っ端では「上を向いて歩こう」に決めてんだけどね。居酒屋で「とりあえずビール」と言うように、バーで「まずはジントニック」を頼むように。どんな年齢層でも大抵は知ってるし、これが十八番って人は滅多にいないだろうという選曲。
それで一巡して、またリモコンを振られたら隠し球の出番なのよ。以前「〇ルマゲドン」という映画が封切られた時期には、その主題歌だった曲を泣きむせぶ勢いで歌ったりもしたなぁ。他にも(裏声で山本リンダ)っていうのもあるけど、その辺は隠し球というより変化球か。
あと、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」もそうだなぁ。あの曲を知らない人には、引かれちゃうかウケるか紙一重。バンドのライブ打ち上げでも、メンバーの連れてきた女性客の前で熱唱したら迷惑顔だったし…。
時々「クレイジー・キャッツ」を持ち歌にしてるい人がいて、あれも一種の隠し球だろうなって思う。僕にとっての「大ちゃん数え歌」も…って、アレ? なんか僕って意外とカラオケ熱心なのかも。
でも、カラオケって所詮(他人の歌)なのよ。自分の唄じゃないからさ、上手下手より適当に面白がってる感じ。作詞作曲する人ってのは、結構そういうもんじゃないのかって思ったりしてるんだけどね。
かなり前に、カラオケ屋でもバイトしたのよ。そういえば20種近くバイトしたけど、夜中の仕事ってそれだけだったなぁ…というのはともかく。
その店では、ヒマになると(休憩)と称して順番に空室で歌ってたのね。まだ当時は流行のJ−POPというのも知ってたんだけどさ、やっぱ毎回だと飽きてきちゃうんだわ。それで訳分かんないのを歌ってるうち、件の「上を向いて歩こう」やら隠し球を覚えたんだけど。
ところで、そこの最上階は「出る」と噂されてたの。誰も見た訳じゃないけど、もちろん休憩には行かなかったね。でも閉店して片付けてると、店長が有線の音楽を読経に変えやがるんだよなー。ああいう部屋って窓がないから余計に怖かった、というかエレベーターの中が最悪。
そこで新人のバイトが、来た早々「最上階だけは行きたくない」って辞めちゃったの。霊感が強いコだったみたいでさ、それで誰も行きたがらなくなっちまって。なんだか店長と僕が交替で片付けしてたような気も。
ちょうどその頃に、初めて金縛りを体験したんだ。あれってさ、急に目が覚めるんだよね。それと同時に(動かない!)って分かるの、不思議と。恐る恐る目を開けたら、一見変わりないんだけど空間が歪んでて。高熱出した時に見える感じ、だけど何か違うの。
当時は親元を離れて、友人と2LDKのアパートを借りてたんだよ。隣室を友人が使ってて、ドアの向こうにキッチンがあって玄関という造りの。で、ドアの外に誰かがいる気配があってさ。そんで(やっと帰ってきたのか)と思ったら、板張りのギシギシいう音がしてないんだよね。
耳を澄ますと、それはドア越しにこっちの様子を伺いながら揺れてる気配なの。もう必死にあらゆる念仏唱えてさ、丹田(ヘソの下)に気合を入れて「どりゃー!」って叫んだら金縛りが解けた。相変わらず目の前の空気は歪んでたけど…。
やっぱカラオケ屋から連れ帰って来ちまったんだろうか、でも数年後に通ったら店は潰れてたけど。
大昔は人間も、動植物みたいに自然と同調するチカラがあったっていうじゃない? だけどその感覚を手放しちゃったのも分かるよ、だって敏感すぎると怖いじゃんね。
夜道を歩いてると、前方の女性が駆け出していっちゃう時があるの。まさか霊感とかで、僕に憑いてる何かが見えたりしてないよね…? 単に怖がりで、小動物のように戦々恐々として生きてるなら構わないんだけど。
「愛のコリーダ」って、なんだかストーカーっぽい歌詞なんだってね。意外。
平成17年6月29日
2005年06月29日
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