一週間前、マウンテン・バイクで初めてダウンヒルのコースを走った。要するに、狭く曲がりくねった山道を自転車で駆け降りた訳だ。あっと言う間に脚はガクガク、手はパンパン! 転ばなかったのは前後を走ってくれた先輩方のおかげ、とはいえ奇跡に近い。僕は舗装されてない道はおろか、あんな急勾・や急カーブも初体験だったのだ。
その後、久しぶりの露天風呂で夏山の空気に浸り、これまた久々のキャンプでは三宅島以来の豪雨に見舞われた。寝袋まで浸水したし、帰りにも滝のような雨に降られたのには閉口したが…それでも・晴らしい休日だったのは間違いない。
そして荷解きをする気力もないまま、性懲りもなく次の休日もキャンプ&山を走りに出掛けたのだった。
中央高速を相模湖で下りて、富士吉田から忍野八海をまわって藤野のキャンプ場へ…一日中ドライブだ、こんなにハンドルを握っていたなんて自己最長記録更新だろう。元々は車の運転が好きではなかったのに、まったく苦痛ではなかったのが我ながら驚きだった。
変化というのは、必ずしも緩やかではないんだなぁ。そして、そんな一日は新鮮さに満ちていた。
「かけうどん300円」という、富士吉田名物のシンプルで滋味深い味。ユカタン半島のセノーテ(泉)に似た青さの忍野八海、そこで食べた菩提樹や桜のハチミツも奥深い味わいがあった。…って食べ歩きみたいだけど、言葉にして一番伝わりやすい事柄を挙げてみただけなのよ。様々な眺めの中で感じた事は、言葉にすると長くなる上に陳腐化してしまうからね。
キャンプ場では、10年振りくらいに焚き火をして満天の星空を見た。ずっと空いていた心の穴が埋まったような、静かな充足感は言葉にならない。敢えて言うなら、魂レベルで生きている感覚!
ところで、この日は「 9・10ホワイトバンド・デー(←リンク切れ)」だったらしい。
僕がそれを知ったのは、幼馴染みの友人から「ホワイトバンド(←リンク切れ)」なる贈り物が届いたからだ。この「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」というのは、どうも(みんな一緒に頑張る)という雰囲気に思えて避けたくなる。ただ(意志の力で世界を変える)という基本姿勢は好きなので、僕は僕なりに意思表示をする事にした。
そして寄寓にも、結果的にそんな時間を過ごせた気がする。まず自分で自分を救うというか、この深く満ち足りた感覚を遠くまで贈りたい。
その翌日は「9・11」という、アメリカにとってのテロ記念日…。って、単に8月6日を原爆記念日と呼ぶのになぞらえてみただけで他意は一切ありませんので悪しからず。
そして衆院選の投票日だが、当然ながら不在者投票済み。僕は以前「日本をぶっ壊す」と言った(ちょっと違うかもしれないが)小泉氏を支持するし、以来きちんと公約を守り続けている(と僕は思う)彼を信任する。
きっと「痛みを伴う改革」は、これから痛みの正念場を迎えるだろう。でもここで引き受けなければ、これからの世代に申し訳が立たない。
インディアンが何かをする時は、9世代後の子供達の事を考えて動くと聞いた。
改革路線もホワイトバンドも、僕の中ではそういう風に受け止めている。
さて、清々しい朝の時間を慌ただしく待ち合わせ場所に。先週のダウンヒルに引き続き、今回はクロスカントリーのコース。つまり、まさに休む間もなく山を走っているんだなぁ。
ダウンヒルは急坂の連続デコボコ、石と根っこと路面を凝視し、息つく間もなく駆け降りる。それに比べれて今回は、アップダウンの減り張りがあるし眺めを感じる程度の余裕はあった。ただ、いかんせん急な上り坂は…正直言って腹が立つ!
クロカン好きには、そういう苦痛も下りの快感と同義らしい。だけど僕にとって苦痛は苦痛でしかなく、快感は純粋に快感だけで事足りる。とはいえ、ダウンヒルの快感はクラッシュする恐怖の一歩手前という感じだし、どちらも「痛みを伴う快楽」かもしれない。
けれど「挫折無くして成功なし」ともいうし、転ぶ限界まで行かないと身につかない技術があるような気はしている。いわゆる場数を踏むってやつだ。今回も最後は雨に降られ、ぬかるみの中を走ったのも経験値に数えておこうか。
2日続けて温泉に浸かり、露天風呂で山の空気を味わう。晴れた昨日の夕景も、雨に煙った山肌も心安らぐ気持ち良さだった。
ちなみに明日9・14から16まで「ホワイトバンドサミット」がN.Y.にて開催されるそうだが、本当の名称は「国連2005ワールドサミット」という。
平成17年9月13日
2005年09月13日
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