この「空想百景」の更新が、1年以上も空くとは自分でも思ってなかったんですよ。
ただね、僕としては「メキシコ旅情」のほうを優先したかったの。だって去年(2005年)の時点で、あれから丁度9年が経っていたんだもの。行ったのが1996年の秋だったから、できれば10年という区切りの中で収めたいって思ってね。まぁ人情というか。
それに「空想百景」も、やや息切れネタ切れ気味だったし(笑)。
ところで去年あたりから、なんだか僕はこの10年というフレーズを多用してるんだよね。あっちやこっちで書いてる駄文で、やたら10年前を基準に何かを測ってるような。そりゃ確かに1996年前後ってのが、僕にとっての大きな分水嶺だったんですよ。それにしても(どうしちゃたんだ?)って感じ。
考えてみたんだけど、あの頃って特に(あと10年、経ったら・・・?)って思う事が多かった気がするのね。当時は自分でも転換期にいるって感じてたからかな、過渡的な状況での決定事項が吉と出るか凶と出るか気懸かりだったんだと思う。それで今の僕は、過去の呼び掛けが届くたびに振り向いているっていう感じなのかも。
でも遠すぎて聞き分けられないんだよね、その声が期待なのか不安なのかも。逆に言えば、あの頃にとっての未来(つまり今)が茫洋として見分けられなかったのと同じで。ただこれは例えじゃなく、過去に思い浮かべたのは今の僕だった感じはあるし、ピント外れな相槌程度でも当時の僕にアウトラインは伝わってた気はするんだよなぁ。
まさか僕が、この年でガンプラやTVゲームを手に取ってたり、自分を満足させるような唄を作っていたりするなんて思わなかったろうけどね! ははは。
だけど当時はこんなにネットが普及する事も想像できなかったし、自分が携帯電話なんて使う筈ないと思ってたもんなぁー。それを思えば、あれから汲々としつつワープロに向かってた旅の記録や、自己満足で作ってた楽曲までがホームページ上で公開されてるのなんて夢のようですが・・・。
さてさて「メキシコ旅情」も終わって、この「空想百景」も残り10話となる訳です。
とりあえず次なる旅日記として、台湾への2度目と3度目の一人旅を予定しております。そしてこの酔っ払いの繰言みたいなコラムとは違う「空想百景」というのも、頭の中で構想中ではあります。どうなることやら、ですけれども。
そういえば今回、これはワープロ原稿じゃないんです。これまでは、わざわざワープロで打った文章をにフロッピーDOS変換入力して、パソコンに保存してから更新してたんですよ。それはなぜかというと、初めてワープロで作った「メキシコ旅情」の元となる文章が、紙とペンで書くニュアンスと全然違っていたから、更に新しい道具に替える事に慎重になってまして。
たかが出力方式の違いでも、書きあがった文章は自分の言葉じゃないみたいでね。同様に、今でも長いメールになると手紙のようには書けない。ワープロからパソコンというのは物理的に大差ないようですけど、それでも僕には大違いだったんですよ。
キーの触感も大きいし、パソコンの禁則処理は入力エラーを弾いてくれないから感覚的に操作できなくて。だから一番最初の「台湾日記」から、パソコンは(ワープロ原稿を手直ししてアップロードする場所)だったんです。
そもそも道具ってのは、多機能すぎると単純な道具より使い勝手が悪くなる傾向ってあるでしょ。いろんな作業がひとつで済む便利さも捨てがたいのですが、やっぱり餅は餅屋というか。でも物事の動きって、分散して特化する方向から統合に向かっていくのかなって気はします。それは餅だけ売ってる餅屋とか、茹で麺だけ扱ってる店も今じゃ珍しいのと・・・関係ないかな?
まぁそんな次第で、次の旅日記「台湾日記2005(仮題)」からは僕もパソコンで原稿作成していきます。それでも文章が変わっていないとすれば、僕もパソコンで作文するのに慣れたって事かもしれません。あるいは僕がイメージしてる(自分の言葉)というものが、所詮は個人的なこだわりに過ぎないって事でしょうなぁ。
もちろん個人的なこだわりを捨てようって気はないんですよ、たとえば僕は電気バリカンで自分の髪を刈っているけれど、他人からどう見えるのかまで気にしていないっていうか。ちょっとばかり不揃いだとか多少いびつになってても、そういう細部にこだわるんじゃなくってという意味ね。
僕は自分の性格を道具に譬えるとすれば、使い込まれた刺身包丁というよりは十得ナイフに近いと思ったりするので、まぁその器に沿った勘所を研いでいこうじゃないかって。かといって絵とか写真とか音楽までパソコン使いこないして、アナログ/デジタル両刀遣いでっていう了見までは持たないですけど。
ともかく来年も、ブログ・サイト「日々是人生」メイン・サイト「tom's section」共々よろしくおねがいします。
平成18年12月12日
2006年12月19日
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