2009年07月08日

トラバ雑想記17 僕が上手いこと言えるには

「上手いこと言うね〜?!」
・・・なぁんて、そんなウィットとユーモア精神に憧れたりします。

しかしどうも日本人は口下手なせいか(咄嗟に出てくる機知に富む一言)なんて、なかなか容易には出てきません。
一休さんの得意な「とんち」にしたって、現実だったら心が和みそうな気がしませんし。
むしろ「この橋わたるべからず」という警告を無視する時点で心が荒みそうです。

いや西洋人のみなさんにしても、映画の中やスピーチ慣れしている方ぐらいなのかもしれませんが。

で、毎度おなじみ「らばQ」さんの記事から「上手いこと」の考察を試みてみようと思います。
まずはこちらの、ウィットに富んでいない例から。
『思わず脱力してしまう、愚かな10の質問』
1. 映画館で友達や知人に会ったときに・・・・・・「ここで何してるんだよ?」

6. 真夜中に電話が鳴り相手が・・・・・・「ごめんなさい、寝てました?」

7. 同僚や友人が明らかに髪の毛が短いとき・・・・・・「髪の毛切った?」

8. 歯医者さんで尖った道具を口に突っ込まれて・・・・・・「痛かったら言ってくださいね?」

10. 店で店員に・・・・・・「これってお買い得なの?」
これらは要するに、脳みそを通っていない言葉ですね。
たとえば真夜中の電話であれば、日本なら「夜分に失礼します」という表現であれば相手も言葉に詰まりません(多分)。

しかし、これらの問いかけによってウィットの需要も生まれるんですが。


お次は会話文ではありませんが、『自己向上というより悪魔のささやき─19ヶ条』より。
2. 知り合いの半分は並以下である

3. 99%の弁護士は他の弁護士を陥れようとしている

4. 82.7%の統計はその場限りで作られたものである

5. 良心というのは、それ以外の全てが気持ちいいときに最も痛む部分である

6. 清らかな良心というのは記憶が低下している兆候である

8. 全てがうまくいってるように見えるなら、絶対に何かを見落としている

9. 鬱というのは、単に熱意のない怒りである

10. 何もかも自分に向かってくる気がするなら、明らかに間違った場所に立っている

11. 意欲というものは、怠けるのに十分な感覚を持ち合わせていない情けない言い訳である

12. 勤勉の見返りは未来だが、怠惰の見返りは今だ

14. 鷹は空高く飛べるが、いたちはジェットエンジンに巻き込まれることはない

17. 経験は、それが必要な直後にしか得られないものである

19. 早くから落ちこぼれたということは、追いつく時間を余分に与えられているということである
これらは削り込んだ逆転の発想といいますか、状況を入れ替えて(えーと、つまり・・・なーるほどね)と相手に首をひねる一瞬を作るのがポイントでしょうね。
当意即妙に繰り出すには、高度なスキルが要りそうですが。

たとえば「知り合いの半分は並以下」というのは、自己を過大評価しがちな心理を皮肉っている訳ですし。
どういうシチュエーションで良心という言葉が発せられるかを思うと、なかなか辛辣でもあります。

ただし、そこには発言者自身への厭世的な含みがあると思うんですよね。
ビリー・クリスタルが「恋人たちの予感」で演じていたような(多分)。

今回の最後にご紹介するのは有名な「上手いこと言った」サンプルです。
『「名言?それとも迷言?」ユニークだけど妙に感心してしまう23の格言』
・愚者と天才の違いは、天才には限度があることだ。 アインシュタイン

・脳というのはすばらしい器官である。朝起きるやいなや働き始め、会社に到着するまでは止まらない。 ロバート・フロスト

・心臓発作が起きる一番最悪なタイミングは、ジェスチャーゲームの最中である。 デメトリ・マーチン

・もし自分の上司がバカだと思っているなら、その上司が賢かったら仕事がなかったと思え。 ジョン・ゴティ

・同性の人間とベッドに入るのはなんら間違ったことではない。人間は性について自由であるべきで、ヤギの前で境界線は引くべきだ。 エルトン・ジョン

・子供が生まれると最初の12ヶ月は歩いたり話したりすることを教えるが、次の12ヶ月は黙ることと座ることを教える。 フィリス・ディラー

・とても奇妙なことなんだが、図書館で「ああああああ!!」と叫んだらみんながじっと見るが、飛行機の中で叫ぶとみんなも参加してくれるんだ。 トミー・クーパー

・最初は人の名前を忘れ、そして顔を忘れ、次にチャックを上げるのを忘れ、最後にはチャックを下ろすのを忘れる。 ジョージ・バーンズ

・Sexするのに女性は理由、男性は場所がいるだけだ。 ビリー・クリスタル

・他人に起こっている間はすべてがおもしろい。 ウィル・ロジャーズ

・バスを待っていて、誰かが「もうバスは来ました?」と尋ねてくる。もしバスがすでに行ったなら、オレがそこにいると思うのか? ビリー・コノリー
もうほとんど高田純二語録!といった感じですね。笑
無責任というか、語っている内容そのものには感心する部分がほとんどないような?
ただし最後の名言は、まさに愚問に愚問で返すというパターンですが。

意味のない本文に仮託して、少しズレた事柄の真理を突いている・・・としたら本文の周辺にある「上手いこと」ゾーンの見極めと測り方に、ウィットの神髄があるのかもしれません。

ま、こう理詰めで考えるうちは見込みなさそうな気はします。

(それにしてもエルトン・ジョンの発言、いかにも英国ジョークですがネタでしょうね)
posted by tomsec at 21:42 | TrackBack(0) | トラバ雑想記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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