2009年08月21日

思い尽きたが好日・リアルとネットの温度差

あらかじめ申し上げますが、記事中で断言している文章は(〜と思う)を省略しています。
すべて個人的な感覚によるものですので、もし気に障ったらごめんなさいね。



「活字中毒R.。」さんという、ブックレビューのようなサイトに掲載された『よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」』という記事が話題になっているようだ。

その記事では『人生の旅をゆく』という、ずいぶん前に出版されたエッセイの中にある1つのエピソードを取り上げている(直リンは張りませんでしたので、詳細はサイトのトップから『2009年08月08日(土)』の記事を探してご確認ください)。

まとめブログの大手『痛いニュース(ノ∀`)』さんに紹介されたのを初めとして、あちこちの同じようなブログに転載されリンクが貼られているのを見かける。
元サイトにコメント欄はないのだが、各ブログの記事は大量のコメントで賑わっていた。

エッセイの当該部分を大雑把に言ってしまえば、居酒屋で彼女が体験した不愉快な出来事だ。
ちょっとした事情があって、持ち込んでいたワインを店内で飲もうという事になった。
それを店長に見つかって注意され、仕方がないから道端で飲んだ・・・と。

どうやらそれが2ちゃんねるのニュース速報スレッドで「私が人脈持ってる人間だとわからないの!?」というタイトルで紹介され、各種まとめブログに転載されたようだ。

コメント欄が盛り上がっているのは、まぁ大方が「なんと鼻持ちならない女だ」といった方向になっている。
まぁ実際に紹介記事を読めば、そういう反応も分からなくはない。
わざわざ『人生の旅をゆく』を読まなくても済む話だが、本のあとがきでも作者はこの一件を取り上げている位だから、相当おかんむりだったのだろう。

ただ、この人は小さなタトゥをスーパー銭湯で見咎められて追い出された時も同じだった。
どの本かは忘れたが、やっぱり本文の他にあとがきでチクリと書いていた。
2000年頃からか、彼女のそういう文章が鼻につくように感じてはいた僕にしてみれば今更だし、最近は少なくとも小説に持ち込むのは止めたように感じている。

もちろん、2ちゃんのレスや各ブログでコメントしている多くは、昔の話でも今になって知ったから騒いでいる。
格好の(己の正義を表現する場)を見つけて、冗談半分で憤っている訳だ。

同じ「活字中毒R.。」さんの、2009年05月25日(月) の記事に『「ネットをやっている人間はバカになる」』がある。
これは『オタク論2!』著者の、唐沢俊一氏と岡田斗司夫氏の対談から抜粋されている。

岡田氏に対するネット上での批判に対して“彼らは「反証責任は岡田にある」と思っているんですよ。”と書いている。
そして自らも“ネットをやっていると、あまりに情報がたやすく手に入るから、「情報が手に入らないのは、情報を出してくれないヤツの責任だ」と思っちゃう”と、同じ思考に陥っていた事を発見したそうだ。

しばらく前に「ネットサーフィン」という言葉があった。
これを続けていると、日常の思考回路ではなく独自の価値観や優先順位を見出すようになるらしい。

また「活字中毒R.。」さんでは、こんな記事もあった。
2009年07月20日(月)付けの『ウィキペディアの「アグレッシブな滝川クリステル」』では、『週刊SPA!2009/7/14号』の滝川クリステルさんのインタビューの一部が引用されている。
それによると、まったく事実と異なる内容がウィキペディアに書き込まれていたらしい。

ネットサーファーの思考回路では(間違っている記事であれば編集されるものだ)と考えるし、修正がなければ(事実として黙認している)と看做して構わない事になる。
だが本人にしてみれば単に(困ったなぁ)という話であって、わざわざWikiを覚えて自分で修正しようとまでは思わない訳だ。
この、ネット思考の温度差は、もしかしたら(メールでは相手を怒らせやすい)といった印象とも関係しているのかもしれない。

ところで最近は『白いクスリ』という言葉をネット上で多く見かける。
まぁ酒井容疑者の持ち歌にかけて揶揄したものだが、この替え歌を用いた動画の再生頻度が非常に高いのだそうだ。
それで、動画の素材となるソフトを販売している会社が削除要請を出して次々と閲覧できなくなっているらしい(当然ながらイタチごっこなんだけど)。

僕の知る限りでは、昭和の初めにも「ナントカ節」といった風刺歌謡が存在していたのだから、現象として考えれば自然に受け止められる。
でもソフトを制作し販売する会社にしてみれば(悪用されて社会的信頼が低下する)という思考になるのかもしれない。
悪名高い2ちゃんねるに類するインターネットにて、大好評のソフトでござい・・・と?

仮想内部の思考が現実と乖離しているのと、現実社会のネットに対する偏向した思考。
いつか鉄のカーテンならぬ、電磁波のカーテンによって分断されたりして。
posted by tomsec at 01:12 | TrackBack(0) | 思い尽きたが好日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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