まずは、毎度おなじみ「らばQ」さんより。
『熱帯雨林は破壊してしまったらもう戻せないのか、驚くべき実験結果』という記事から。
ニューヨークはコーネル大学のボイス・トンプソン・インスティチュートが試みた実験の成果だそうです。
90年代の初め、半世紀で伐採された中米コスタリカに土着の多様な種子などを植えていきました。
10年後の調査で100以上の種類が育っている他、色々なことが分かったそうです。
植林による多雨林の再生が、近隣の住民の生活レベルも向上させるとか。
ま、学者とかデータを鵜呑みにはしませんが、それでも明るい話題には違いありません。
日本の襟裳岬(えりもみさき)でも、江戸〜明治時代には森林伐採によって広葉樹の原生林が砂地と化して、町には砂が吹き荒れ漁獲量も減少していたのだとか。
1953年に始まった緑化・植林計画によって、砂漠化が止まり海の幸も戻ってきたそうです。
「魚つき林」の効果ですかね、ただし植えたのは針葉樹ですから植生は無視ですが。
とりあえずアマゾンの熱帯雨林や北アフリカの疎林などは表土が薄いそうなので、コスタリカと同列に考えるのは早計かとは思います。
でも、いい話です。
ちなみに「ナショナルジオグラフィック ニュース」には『海中のプラスチック、予想より早く分解』という記事がありました。
これを知ったのは「特設ニュースちゃんねる」さんの『海中のプラスチック、予想より早く分解されることが判明…ただし、これは悪い知らせです』でして、つまり朗報ではないんですね。
今までの説=「海中のプラスチックが分解するのは水温が高くても数百年はかかる」
↓
新たな発見=「想定よりも低い温度(摂氏30度とか)で、しかも海中に入ってから1年以内に分解する」
これの何が悪い知らせかといいますと。
「ビスフェノールAは動物の生殖器系の働きを阻害することが判明しており、スチレントリマーの誘導体であるスチレンモノマーは発がん性物質として知られている。このような汚染物質は、海流がぶつかる渦潮など、大量のプラスチックゴミが散乱する海域で濃縮していく傾向が強い」
「例えば、発泡スチロールが分解すると微細なポリスチレン成分が海の底に沈んでいく。水より重いからだ。したがって、こういった汚染物質は海面付近だけでなく、海中全体に広がっていると考えられる」
「今回研究室で得られた結果は、海洋全体に一様に当てはまるものとは考えられない。ほとんどの海域において、海水温は研究で示された摂氏30度よりもはるかに低い。したがって、今回の研究成果が意味を持つのは熱帯や亜熱帯の海岸地域に限定されるだろう」
しかもプラスチックは、分解するときに毒性化学物質を解放するだけでなく、海中に漂うほかの化学物質を蓄積する作用を持っている・・・だそうで。
要は分解→毒性化合物が海水に→魚・・・と。
まぁ最後は魚→人間で責任取ってくのでしょうけど?
続いて「ナショナルジオグラフィック ニュース」の『“太平洋ゴミベルト”の実態調査』という記事です。
「カリフォルニア州とハワイの間に位置する「太平洋ゴミベルト」には、世界中で捨てられた何百万トンものプラスチックゴミが海流の影響で密集している。毎年生産される2億6千万トンのプラスチックのうち約10%は海に捨てられるが、その大部分が太平洋ゴミベルトのような海流が渦巻く場所で停滞してしまう」
「この場所に集まるプラスチックのうち70%は海中に沈んでいる」
あらら、よりによって分解しやすい海域に集積されちゃってるみたいで・・・地球ってスゴイや!
そして
「世界中の多くの地域、特に開発途上国では、日常生活にすっかり溶け込んでいるプラスチックのボトルや容器を処理する手段がない」
けれども、
「プラスチックゴミを燃料や衣料品に、言い換えればより利益率の高い形態に転換する技術があれば、人々は収入を得るために喜んでプラスチックを拾い集めてくれるかもしれない」
・・・なるほど、まぁ太平洋の真ん中までは行かなくても発生源は封じ込めるかも。
スモーキー・マウンテンの住民に期待してるんですね分かりますありがとうございました。
同じく「ナショナルジオグラフィック ニュース」には、こんな記事もあります。
『海と共存する方法を見つけよう』
ブルー・フロンティア・キャンペーンの代表であるデイヴィッド・ヘルバーグさんが提案する、海に行かなくても実行できるいくつかの方法です。
「化石燃料をエネルギー源や輸送に使用すれば、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)が排出される。
また石炭を燃料とする発電所は、神経毒性の水銀、スモッグや酸性雨の成分となる一酸化硫黄(SO)、スモッグや酸性雨に含まれる二酸化窒素(NO2)を排出する。
このような有毒成分は、雨によって湾や海に運ばれる。
二酸化炭素だけでなく、スモッグに含まれる二酸化窒素も、自動車の排気ガスから発生する。
海のデッドゾーン(酸欠海域)ができる原因となる窒素の増加について、その25%以上が二酸化窒素の排出による可能性がある」
要するに高速1000円乗り放題なんて言ってないで、ハイブリッド・カーも控えめにね♪って事ですかね。
「熱帯雨林は地球の肺に例えられるが、実際には、世界の海で小さなプランクトンが大気中の二酸化炭素の大半を吸収し、私たちの生存に必要な酸素の70%を生産している」・・・だそうですよ。
で、最後も「ナショナルジオグラフィック ニュース」で見つけた記事です。
『オゾン層破壊の新たな脅威、亜酸化窒素』
「1987年、世界中の国々が集まり、クロロフルオロカーボン(CFC)をはじめとしたフロン類を全廃することを決めた。
オゾン層は最もひどいときには世界全体で約5%も薄くなっていた」
↓
「全廃決定以降はフロン類の排出は劇的に減少し、世界気象機関(WMO)によると、オゾン層は今世紀半ばまでにおおむね回復する見込み」
そもそもオゾン・ホールと呼ばれ公表された画像は、毎年10月ごろに極地のオゾン層の幅が狭まる現象を撮影したものだとも聞きます。
その現象自体はフロンによる影響なのか明らかではないようですし、この劇的な回復劇はハリウッド好みだなーなんて気持ちになったりも。
しかし第2、第3の刺客が・・・って!?
「新たなオゾン層の破壊要因として浮上してきたのが、年間約1000万トンも排出される亜酸化窒素(N2O、一酸化二窒素)である。
亜酸化窒素の主要な排出源は硝酸などの化学肥料や家畜の排泄物なので、世界的な農業の拡大や家畜保有数の急増により排出量は今後増加する可能性がある」
「主要な排出源は農業だが、下水や自動車の排ガスなど運輸部門も無視する訳にはいかない」
亜酸化窒素の豆知識
規制対象の多くのフロン類と同程度の強大な破壊効果がある
熱を蓄積して地球温暖化を促進する、温室効果ガスでもある
21世紀の間は、オゾン層の減少が原因の紫外線暴露によって、皮膚ガンの患者が相当数に上ると推定されている。
「人口の増加は、農耕地と収穫量に対する大きな拡大圧力にもなる。食生活を変えることで、農業に大きく変化させることもできるだろう。肉の消費量を減らせば家畜も増やさずに済むし、飼料生産に必要な化学肥料も減る」
肉食志向が変われば、耕地や牧草地のために伐採する流れも変わるでしょう。
しかし、こういう出来すぎた科学データというのはなぁ・・・あんまり素直になれないのですが何故だろう? 笑
なんだか、バイオスフィア計画を思い出したりもしますが(日本でも、あの六ケ所村で閉鎖空間の長期間滞在実験を試みているそうで)。
まぁ、あれと同じではなくても地球環境に何かするのは回りまわって返ってくるものなんでしょうなぁ。
で? っていう話ですけど。
2009年09月05日
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